間葉系幹細胞（Mesenchymal Stem Cells、MSC）は、自己複製能および多分化能を持つ幹細胞の一群であり、骨髄、脂肪、臍帯などの人体組織の中に幅広く存在します。MSCは独特な傍分泌と免疫調節メカニズムを通じて、損傷組織の修復、造血サポート、栄養供給、内因性幹/前駆細胞の活性化、免疫調節、血管新生の促進や抗繊維化などの様々な作用を発揮することが可能です。

MSCの作用メカニズム

さらに、MSCは組織適合性複合体（MHC）クラスⅡ分子を発現せず、免疫原性が低く、他家移植でも免疫拒絶反応を引き起こしません。

現在の臨床研究によると、MSCは複数の疾患治療、特に自己免疫疾患と組織損傷性疾患の治療分野において著しい可能性を示しています。研究が進むにつれて、MSCはより多くの疾患治療で重要な役割を果たすことが期待されています。

人工多能性幹細胞（iPSC）は、無限増幅と遺伝子工学的改変の容易さの特性を備えています。製造されたiMSCは同一の種「iPSC細胞」から由来し、バッチごとの収量が多く、品質がより安定的で均一です。さらに、iPSCの段階で遺伝子修飾を行うことで、特定の機能を持つiMSCを得ることができます。何よりも重要なのは、iPSCから分化誘導したiMSCは胎児期のMSCに似ており、最も強い増殖機能と完全な分化ポテンシャルを持つ最も「若い」MSCです。

したがって、iPSC技術は「既製品型」MSC療法を開発するための重要な革新的方向性と言えるでしょう。

「NCR100」（中国国内で初めて臨床承認を取得したiPSC由来MSC）による変形性膝関節症治療が第I相臨床試験に進んでいます。 

「NCR101」（世界で初めて臨床承認を取得した遺伝子修飾によるiPSC由来MSC）による間質性肺疾患治療が第I/II相臨床試験に進んでいます。